いちおうこれでも、ドラマの中の四ツ木翔也という野球選手を応援したい、好きになりたいと思って見てるんですよ。メジャーは無理でも、納得いくアスリート人生を送ってほしいと思ってるわけです。中学では何回もノーノーやってたそうですが、高校では結局鳴かず飛ばずだったし、社会人になったらパイセンの指導も無視して彼女の機嫌を取ってる。シンプルに、こいつに選手としての将来性を感じないんだよな。

 あとなんだっけ、ママ(麻生久美子)がカスミンの親を町中華に呼び出してるのも意味わかんないし、結ちゃんがサッチン(山本舞香)に「支えられる側の気持ちを考えろ」と言われて「もしかして、ごはん少ない……?」って思い当たる思考回路もよくわかんないし、総じて納得感の非常に低い回となりました。

 総じて納得感の低い『おむすび』が帰ってきた! おかえりなさい!

■ものすごい引っ張るナベさんは大丈夫か

 震災で娘を失った人がどれだけ傷ついているかなんて本人にしかわかるわけないから、マキちゃんパパのナベさん(緒形直人)の横暴っぷりについては意見を控えているわけですが、それにしてもこれだけ引っ張って大丈夫だろうかと不安になってきます。

 はっきり言って、この人の言動は常軌を逸してる。震災当日、病院から避難所に帰ってきてワンカップをあおっていたときは同情もしたけど、12年後の神戸編では正直ちょっと距離を置きたい人物として登場しています。

 ここまで極端な造形のキャラクターを登場させた場合、やっぱりそれ相応の心理描写が必要になるわけですが、「総じて納得感が低い」でお馴染みの『おむすび』にその用意があるだろうかと。ちょっと怖いんだよな。いっそ、ナベさんについてはこのまま何も言わず「3年後」とかに飛んじゃったほうがいいような気がします。身もフタもないけど、高校の2年間とか、アユ(仲里依紗)の「初の墓参り」とか、描くべきところをボンボン飛ばしてきた本作なので、さもありなん。なむなむ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)