投資は社会人経験を積んでから行うものと思われていたのも今や昔。最近では、若いうちから「投資」に取り組む人が増えています。「興味はあるけど、素人だし何をしていいかわからない」と思う人もいるはず。そこで今回は、これから投資を始めたい人にぴったりの方法である「積立投資」について解説します。積立投資はどのような方法で、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。具体的なお金の増え方のシミュレーションと併せて紹介します。
積立投資とは
積立投資とは、一定の期間ごとに一定の金額ずつ同じ銘柄を購入していく投資手法のことです。毎月・毎週・毎日コツコツとお金を積み立てていく投資なので「積立投資」と呼ばれます。特定の投資対象を指す言葉ではなく、株式や投資信託、金(ゴールド)などさまざまな投資でこの手法を取り入れることができます。
積立投資のメリット
それでは積立投資にはどのようなメリットがあるでしょうか。また、積立投資が投資初心者や若い人に向いていると言われるのは何故なのでしょう。その理由を探っていきたいと思います。
初心者でも簡単に実践できる
積立投資は、いったん銘柄を選んで設定を済ませれば、あとは設定した間隔で設定した金額ずつ自動的に口座からお金が引き落とされ、積み立てられていき、そのお金をもとに資産運用の専門家が運用します。
売買のタイミングで悩んだり、その都度手続きをしたりしなくても済むので簡単でストレスもなく、初心者や普段忙しい人でも取り組みやすいでしょう。
リスクを抑えやすい
投資の世界には「卵を1つのカゴに盛るな」という格言があります。自分の資産を1ヵ所に集中させていては、何かトラブルがあったときに全滅してしまいます。いくつかに分散させて所有しておくことで、全滅のリスクを避けたほうがよいという教訓です。
ここでいう「分散」には、投資対象(株式や債券など)や投資するエリア(先進国や新興国など)の分散などがありますが、「時間」の分散も含まれます。
一度にまとまった金額を投資するのではなく少額ずつ複数回に分けて投資することで、高値づかみで損するリスクを抑えることができます。少額ずつの投資なら、手元の資金が多くなくても始めやすく続けやすいのもうれしいポイントです。
時間を味方につけられる
若い人は「まだ知識がない」「お金がない」と投資を遠ざけてしまうかもしれませんが、実は、若さは投資をするうえで大きなアドバンテージになります。なぜなら、若いということはそれだけ投資に取り組む期間を長く確保できる可能性が高いからです。
投資の利益は投資できる期間が長いほど得やすくなります。先述のとおり時間を分散できるというのも理由の1つですが、お金が複利で増えていく(=雪だるま式に増えていく)というのも大きな理由です。どれくらい増えていくのか、このあとでシミュレーションしていきます。
積立投資のデメリット
積立投資のデメリットも知っておきましょう。おもなデメリットは、短期間で大きな利益を求めるのには向いていないという点です。
「一定のタイミングで少額ずつ長期的に取り組む」のが積立投資の基本スタイルです。「値動きが上下するタイミングを見計らって大金を一気につぎ込んでドカンと増やす」のと真逆ですので、大きな失敗はしにくい反面、短期間で大きな成功を収めるのは難しいでしょう。
ゴールを設定してから始めよう
投資を始めるときは、まずその投資で目指す目標(ゴール)を決めて取り組むのがいいでしょう。
例えば「40歳までに1億円貯めてアーリーリタイヤしたい」という人と「老後に向けて2,000万円用意しておきたい」という人では、どれくらいの期間、どれくらいの金額を投資して、どれくらいの利回りを目指せばいいのかが異なります。
元手資金や目指すリターンが違えば、どんな商品をどんな手法で運用すべきなのかも違ってきます。どのような投資をしていくかの方針を定めるためにも、まずは自分が目指したいゴールについて考えてみましょう。