今では女性らしいと思われているフリルもレースもタイツもヒール靴もスカートも、ピンクも赤も、歴史的には男性も着用しています。

 肉体がどうであるかの問題ではありません。ゲームのルールは時代によって変わってきますが、基本的には「男性が通常着用しないもの」が「女性らしさ」の表現として使われます。ゲームのルールの中では何を着れば「女性らしさ」になるかは決まっている、ただそれだけのこと。

カラー文庫 中世ヨーロッパの服装
「女性らしいと思われている」ファッションは、歴史的には男性も着用していた※画像:オーギュスト・ラシネ『カラー文庫 中世ヨーロッパの服装』マール社 Amazon販売ページより
◆誰にでもわりやすい「女性らしさ」を表現する1枚

 私が持っているヴェロニク・ブランキーノのジャンパードレスも、そんな女性らしさを表現するのにぴったりの1枚。

ヴェロニク・ブランキーノのジャンパードレス
筆者が愛用している「ヴェロニク・ブランキーノ」のジャンパードレス
 起毛してふわふわした素材、ぱっきりと明るい黄色、袖なし、そして何よりドレスであるということなど、1枚にぎゅっと「女性らしさ」を詰め込んだこのドレスで11月の街を歩くと、街行く人の目がこちらにくぎ付けになっていることがよくわかります。

 友達にも貸してみましたが、同じことを経験しました。とにかくこのドレスは誰にでもわりやすい「女性らしさ」なのです。

女性らしさを表現するのにぴったりの1枚
女性らしさを表現するのにぴったりの1枚
 女性らしさの表現は洋服というゲームのルールの中で決まっている。女性らしさを表現したい人はそれを利用すればいい。表現したくない人は逆なことをやればいい。

 多くの人が悩んでいるようですが、コットンきょんさんを見習って、お悩みの方はチャレンジしてみるといいのでは? それほど難しいことではないと思います。

街行く人の目をくぎ付けにする「女性らしさ」が詰まったドレス
街行く人の目をくぎ付けにする「女性らしさ」が詰まったドレス
◆ドレス(筆者私物):ヴェロニク・ブランキーノ

<文/小林直子>

【小林直子】

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。