鹿や猪を本業とする人からは良い回答を得られなかった一方、ペットの飼い主からは、「うちの子、食物アレルギーが多くて食べられるお肉が少ない」「チキンや馬が合わないみたいでお腹を下してしまう」などの声もあり、「キョン肉があれば、そんな悩みの解決方法の一つになるのではないか」とさらに思いを募らせていたという。
そんななか、2024年初頭に千葉県内にて猟師業を営む千倉聡太さんと知り合う。ペット関連の専門学校でドッグトレーナーを専攻していた千倉さんは犬に詳しく、キョン肉の犬猫に対する有用性に注目していたこともあり、共にプロジェクト化を進めることとなった。
また、キョンの革をペット用の首輪にできないかと、県内で革製品を作製・販売している「611」の田村登茂美さんに相談し、キョン革の首輪作製にも目処が立った。
こだわりのドッグフードと首輪
ドッグフードについては、小坂さんのペットフード研究家としてのこだわりで、キョン肉の含有量を50%以上にし、近年増えている犬の食物アレルギーにも対応できるようにグレインフリーにした。製造方法にもこだわっており、熱に弱い栄養素や酵素が壊れないよう、70℃以下の温風で乾燥させる製法を取り入れている。
キョン革については、専門家の技術指導のもと、「革のシルク」と称されるほど滑らかな特性を引き立てつつ、安全性に配慮したタンニンなめしのキョン革を使用した。
「命」を有効的に「使」うことを「使命」とし、「総 -sou- プロジェクト」を進め、「生命のため=千葉のため」の方程式に共感してもらえるよう活動していきたいとしている。
商品詳細
ドライドッグフードは1種類、ジャーキータイプはキョン・鹿・猪の各部位から厳選した5種類をラインナップ。キョンはもちろん、鹿、猪のすべてが千葉県房総半島で獲れた原料を使用している。
また、首輪に使用するキョン革は、「革のシルク」と評されるほどに滑らかな肌触りが特徴だ。