2019年に世間を騒がせた老後2,000万円問題以降、日本でも投資を始める人がじわりと増えているようです。フィデリティ・インスティテュート退職・投資教育研究所が2020年に実施した「ビジネスパーソン1万人アンケート」では、20~50代のビジネスパーソンの約4割が投資をしているという結果が出ています。コロナ不況がささやかれるなか、家計を見直して投資や貯蓄に精を出す人が多いのではないかと考えられます。今、家計管理が必要な理由と、効果的な家計管理の方法を解説します。
家計管理はなぜ必要?「なんとなく」では貯まらない
お金を貯めたいと思っていても「なんとなく」考えているだけでは、限られた収入のなかで新たに投資や貯蓄に回すお金を増やすことは難しいでしょう。なぜお金を貯める必要があるのか、そしてどうやってその原資を作るかを初めに考えてみる必要があります。
そのために有効なのが家計管理です。家計管理とは、日々のやりくりをしながら必要なときに使えるお金を作ることであり、そのための計画を立てることとも言い換えられます。
「必要なときにお金を使えるようにする」家計管理の4つのステップ
具体的な家計管理のステップを見ていきましょう。
1.支出を把握して現状を知る
まずは現状の把握を行います。給与明細を見れば、毎月いくら入ってきているかは分かるものの「何にいくら使っているのか」をきちんと把握している人は意外と少ないものです。
家計の現状を把握するというと家計簿を思い浮かべるかもしれませんが、手間をかけずに管理する方法もあります。手間なくお金の流れを管理する方法は後述します。
2.ライフプランを立てて目標を設定する
現状把握が済んだら、続いて、どのような生活、人生を送りたいのかをパートナーや家族と話し合いましょう。少し前まで「標準世帯」という表現が一般的に使われていましたが、実際には標準世帯というものは存在しません。
住む場所や、子どもの有無、マイホームを持つかどうか、旅行や趣味など余暇の過ごし方によって必要な金額はそれぞれの家族によって異なるものだからです。
ライフプランを立てたら、それに向けてお金の計画を立てましょう。いつまでにいくら必要なのかが大まかにわかれば、お金の計画も立てやすくなります。
3.家計を見直す
次に、目標と現状とのズレを修正していきましょう。無駄遣いしている支出がないかをチェックしお金の使い方を見直したり、目標に対して貯蓄のペースが遅いようなら貯蓄額の増額を検討したりします。
もし貯蓄ペースが早過ぎることが分かったら、趣味や旅行などに使うことも検討してみてはいかがでしょうか。人生の楽しみにお金を使うことも上手なお金の使い方だからです。
4.定期的に見直す
家計を見直したら、定期的に検証しましょう。家計管理がうまくいっているかどうかを検証するコツは、明確な評価基準を設けること。うまくいっていれば継続し、問題があればその原因がどこにあるかを追及し、ほかの方法を取り入れてみましょう。
このように「お金のPDCA」を回していけば、自分がどのようにお金を使っているか、その傾向が見えてくるのでお金の管理がしやすくなるはずです。