昨日の入学初日を描く回では主人公の結ちゃん(橋本環奈)のギャルギャルしい一面を強調して周囲の顰蹙を買うことで「思い通りにはいかないわ」感を演出したNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』でしたが、今日は一転、結ちゃんがギャルであることが忘れ去られたようなお話でした。

 思い返せば第2回だったかな、ハギャレンのルーリーを演じているみりちゃむというキャストについて、以下のようなことを書いたんですよね。

「ギャルの物語を作る上で『ギャルってどんな人なの?』という定義付けが必要になるはずですが、そこらへんをみりちゃむの仕草とセリフ回しに全部頼ることになっている。今後いろいろあって結ちゃんはギャルになっていくのでしょうから、それはそのまま橋本環奈がみりちゃむになっていくということでもある。」

「演技経験のないホンモノのギャル・みりちゃむに、本業の俳優である橋本環奈が芝居を寄せていくことになる。」

 皆目、見当違いでしたね。今回、結ちゃんが同じ班の女の子2人のケンカを仲裁するシーンがありましたが、あれ、ルーリーだったら「ちょっとちょっと、そんなことよりアゲ~!」の一言で軽ぅ~く解決してたんだろうな。

 ギャルになるはずのドラマで、いよいよ「ギャルになった」と設定されているのに、全然ギャルな芝居をさせてもらえない主演のハシカンさんが、どうにも窮屈に見えてきました。アユが「私のギャルはニセモノ……」とか言ってたけど、結ちゃんのほうがよっぽどニセモノなんですよね。

 第39回、振り返りましょう。

■コメディセンスもなぁ……

 今回は、結ちゃんたちが入学した専門学校のカリキュラムの紹介から。人体構造とか英会話とか、いろいろ学ぶべきことがあるようですが、ここで英会話の外国人教師に「ボケ」「カス」みたいな関西弁をしゃべらせて「日本語、誰に習ったんや」と結ちゃんに言わせるくだりがありました。こういうコメディセンスも、どうにもハマってこないんですよねえ。なんだろう、セリフを書く人が関西弁の「コテコテ」というエッセンスを「汚い言葉」としか解釈していない感じが伝わってきちゃう。意図としては、海外の人が関西の文化を深く理解している、その深すぎる理解の滑稽さを描きたいんだと思うんですが、「ボケカス言わせとけばいいんだろ」っていう投げ槍なアイディアをそのまま採用してるんだよな。「あの英会話の先生、いいキャラだよな」って言いたいのに、言わせてもらえない。