◆ほろ苦くも温かい物語×実用性の高いレシピ
この作品が多くの人に愛されてきたのは、主演のふたりがリアルに表現するほろ苦くも温かいストーリー性に、日々の生活に取り入れられるレシピが添えられているからでしょう。
月の食費を2万5000円以内に抑えることを目標にするシロさんが作る料理のレシピは、どれも分かりやすい上に、気取った調味料も、お洒落な食材も、最新の調理家電も必要はありません。ドラマや漫画を参考に「何食べ」のレシピを再現したことがある人もきっと多いはずです。
筆者のお気に入りは、season1の第6話に登場した「レンコンのきんぴら」で、今でも頻繁に作るようになりました。そんな風に、リアルな生活にも人生にも、“身近さ”を感じられることが、この作品の人気の理由ではないでしょうか。
◆脇を彩る個性的なキャラたちが愛おしい
もう一点言及したいのが、シロさんとケンジの周囲を取り巻くキャラクターの愛らしさについてです。
シロさんの料理仲間・佳代子さん(田中美佐子)の、フラットな視点でふたりと接する姿には親近感を抱くし、息子を想うあまり空回ったり、間欠泉のようになってしまったりするシロさんの母・久栄(梶芽衣子)も憎めません。
なかでも、筆者が最も推したいのは、磯村勇斗演じる“ジルベール”ことワタル。シロさんとケンジの友人で、山本耕史演じる小日向(こひなた)の恋人です。ジルベールにベタ惚れで振り回される超ドMな小日向ももちろん魅力的ですが、磯村が演じるジルベールは最高!
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