警視正は、警視総監、警視監、警視長に次ぐ4番目の地位に当たり、いわゆる「キャリア」「準キャリア」でないと昇進が極めて難しい上位階級だ。岩本容疑者はエリート警察官だったはずで、もしそんな人物が堂々と警察官を名乗って女性たちに乱暴していたとすれば、世の中どうなっているのかと天を仰ぎたくなる。
今年はこの他にも、鹿児島県警の20代巡査長がSNSで知り合った当時13歳未満の少女と性交したとして強制性交の疑いで逮捕されたり、宮城県警交通規制課の警部補だった50代の男がスマートフォンで女性のスカート内を盗撮したとして書類送検されたり、鹿児島県内の警察署に勤務する50代男性警察官がクリーニング店の20代女性従業員へのストーカー行為で書類送検されたり、大麻を友人から譲り受けたとして鹿児島県警の20代警察官が逮捕されたりと、全国で警察官が起こした事件が多発。これを受けて、松村祥史国家公安委員長は今月10日の会見で「大変残念で、遺憾に思う」「服務規律の厳正な保持を念頭におき、こういう事案があった場合には厳正に対処するよう警察を指導していく」とコメントした。
もちろん、大半の警察官は犯罪を取り締まって国民を守るために日々頑張っているはずだが、これほど多くの警察官による犯罪行為が起きると、市民としては「警察は本当に信用できるのだろうか」という気持ちにもなってくる。警察への市民の信頼を崩壊させないためにも、改めて警察全体で規律を正してほしいものだ。