同社は「再発防止特別チームに説明済み」「調査済み」としているものの、これまでの記者会見などでスタッフによる性加害の詳細については言及しておらず、先述の「性加害をしていたマネージャーが会社を去っていた」というのも初めて明らかになった事実だ。
一部週刊誌の報道などでは、故ジャニー喜多川氏だけでなくスタッフによる性加害も横行していたと伝えられてはいたが、BBCが追求したことでようやくSMILE-UP.が公に事実を認めたことになる。言い換えれば、以前からスタッフによる性加害は認識されていたが、大手メディアは追及することなく「公式発表待ち」で静観していたといえる。
ジャニー氏による性加害問題についても、昔から一般人でも知っているレベルの「公然の秘密」となっていながら、テレビや新聞などの大手メディアは「忖度」によって黙殺し、海外メディアのBBCが報道したことで大問題になったという経緯がある。各大手メディアは「見て見ぬふり」だったことを反省し、業界の構造は改善されたかと思われたが、今回の一件を見るとさほど変わっていないようにも思える。
BBCは、ジャニーズ性加害問題の実態を暴くきっかけとなった昨年放送のドキュメンタリー『J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル』の続編となる『捕食者の影 ジャニーズ解体のその後』を、30日にBBCニュースチャンネルで日本を含む世界に向けて放送予定。被害補償などが徐々に進められたことで騒動は落ち着いてきた印象もあったが、同番組によって再び深刻な問題がクローズアップされる可能性もありそうだ。