そのころの鬼越トマホークが自らのYouTubeなどで、よく口にしていたことがある。
自分たちは悪口ばかり言って、イメージが悪い。だからCM仕事が入らないので、いくら働いてもこれ以上収入は上がらない。
『チョコプランナー』で袋叩きに遭った翌日の1日、そんな鬼越トマホークのYouTubeで1本の動画が公開されている。「ファミリーマートさんに呼び出されました」。まごうことなきCM仕事である。
しかも、ファミリーマートの公式アプリ内で、鬼越の「ケンカ芸」がゲーム化されるのだという。10年前、彼らを芸能界に押し上げた悪口という一芸が、そのままナショナルクライアントのPRに利用されているのだ。これは、鬼越トマホークというコンビがまったくイメージを変えないまま、好感度だけを上げてきたことを意味する。
繰り返しになるが、昨年の『キングオブコント』放送中のカーネクストのCMを見たとき、彼らは賞レース重視のお笑い界の横っ腹に穴を開けたのだと思った。鬼越トマホークのたどってきた道のりは、誰かが狙って再現できるキャリアではない。
積極的に更新しているYouTubeでは話術の高さやインタビュアーとしての適性も証明している鬼越トマホーク。今後、どんな芸人になっていくのだろうか。
(文=新越谷ノリヲ)