上記2組以上に「売れる寸前」を経験しているのが、今回初出場となるサルゴリラだ。トリオ「ジューシーズ」時代にテレビ朝日の深夜で『333トリオさん』に出演。4年半にわたって看板レギュラーを務めた。だが15年の番組終了を経て、共演していたジャングルポケット、パンサーが全国区になっていくのを後目にトリオは解散。残った2人のコンビで表舞台に再浮上するまで、実に9年の年月がかかったことになる。

 そして、や団とカゲヤマ。や団は昨年の決勝で3位に入るまで、カゲヤマは今の今まで、売れそうになったことなど一度もなかった。華のない3人と2人にとっては、賞レースでの実績だけが芸能界へのチケットとなる。かつての『KOC』王者・バイきんぐやシソンヌがそうであったように、結果次第でその道が開ける可能性は、十分にある。

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 準決勝に残る確率は「35/3,036組」だった。準決勝から決勝は「10/35組」、決勝で3組のファイナルに残り、2本のネタを披露できる確率は「3/10組」。決して低い確率ではない。

 このチャンスを、誰がつかむだろうか。

(文=新越谷ノリヲ)