◆苦し紛れにもれた一言

「なんか、あれだね、飽きるね」

 松下洸平扮する春木椿から思わぬ一言がもれる。世間とのちょっとしたズレを感じ、お互いに悩む者同士。気づけば、気が置けない存在になり、椿の家をたまり場にしている。

 潮ゆくえ(多部未華子)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)にとって、春木家の集いはもはや必要不可欠なもの。そんなのっぴきならない関係性に対して、人一倍心やさしい椿が、「飽きるね」と思ったのか。

 びっくりしたが、もちろん杞憂。婚約者と住むはずだった家からそろそろ引っ越しを考えていたのだ。となると、あの3人がたまり場を失うことになる。言いづらさの果てに、苦し紛れにもれた一言だった。