相手家族の立場に立ったのは、やはり彼女自身が夫の女性問題で苦しんできたからだろう。まずそこに目が行ったことで、彼女の「不倫は絶対ダメ」というこれまでの主張を貫いたことになった。
また、相手の男性も文春のインタビューに答え、悪いのは自分であること、彼女は本当に知らなかったとし、謝罪文まで明示したことで、紗理奈さんの主義主張とタレントイメージは守られた。
◆「真実を隠して嘘をついた」時点で信頼関係は崩れ去る
「騙され不倫」というとイメージが悪いが、実際に相手に独身だと伝えられて関係を続けるケースは少なくない。
携帯電話が普及して、家に電話をかけなくなったこと、たとえ妻と同居していても「独身だけど、親と住んでいるから家には呼べない」と言われれば、それほど不信感を抱くこともない。単身赴任中なら、「独身」を貫くこともできるだろう。バツイチだと言っておけば、子どもの話をしても疑われることはない。
電話だけでなくSNS等、さまざまな方法でつながっているから、相手の正確な住所を知らないままつきあっている場合もある。中には2年以上、相手が独身だと思ってつきあい、女性が妊娠して初めて、彼が「ごめん」とカミングアウトしたという話も聞いたことがある。
既婚であることを告げられなかった男性たちは、「結婚しているといったら彼女に逃げられると思った」「もうじき離婚が成立するはずだったから」「彼女を失いたくなかった」など、さまざまな理由を口にする。
遊びのつもりなら独身と偽る必要はない、本気だから既婚だと言えなかった、相手に対して真摯な気持ちを抱けば抱くほど、言えなくなったと男性たちは言うのだが、「真実を隠して嘘をついた」時点で、信頼関係は崩れ去るのだ。