鶏舎内には、籾殻と木屑をたっぷりと敷き詰め、糞が乾き匂いを抑える工夫も。いずれも農家や材木屋からもらう、地域の未利用資源だ。

100%国産の自家配合発酵飼料で育つ鶏


鶏には、輸入穀物に依存する市販の配合飼料はあたえず、自家配合の発酵飼料を与えている。地元産の米や麦を中心に、米糠、生おからなどを配合しているそう。飼料を発酵させることで鶏の体内環境を整え、消化吸収を良くするという。

また、自家配合の発酵飼料に加えて緑餌(天然の青草)も与えている。緑餌にはビタミンや食物繊維が豊富に含まれ、鶏の血液を弱アルカリ性に保つ効果があるのだそう。

購入する原材料も含めて100%国産。たまごを購入した人に、「(真の生産者である)鶏が何を食べているか」をきちんと説明できる生産者でありたいと考えている。

2025年1月より有精卵を全国販売


こうして育った鶏が産むのは、有精卵。たまごを産まない雄も飼育することで自然交配がおこるためだ。

たまごの味はあっさりしているが、ゆたかな香りとやさしいコクがつまっているそう。たまごの色は鶏が食べたもので決まるそうで、卵の色調整のためだけに余計なものは与えず、米や緑餌をたくさん与えるため、黄身の色はオレンジ色ではなくレモンイエロー色になるという。

また、季節や旬によって飼料の内容や割合がかわるので、たまごの風味もかわるのだそう。

たまごは、2025年1月から全国販売予定。まずは日産500個程度を予定している。西粟倉村内の道の駅やショップ、兄弟会社・点々のブランドサイトおよびポップアップストア(直販店)で販売されるほか、同村のふるさと納税の返礼品としても登録予定だ。

今後の計画


西粟倉村は、1300人のむら。養鶏場や事務所がある知社集落は自販機や横断歩道すらない20世帯40人の集落だ。


セリフは、2025年中に同区画で鶏舎2棟を建築し1400羽の飼育体制を構築する方針。また、2028年までに鶏舎6棟3000羽飼育の事業拡大を予定している。