その様子を見た飼い主さんはフミちゃんが快適に暮らせるよう、できる限り配慮をしました。「お水の器が気分と違う」と怒る時には様々な器でお水を用意。フードに不満を感じている時には猫用のかつおぶしを混ぜるなど、まさに至れり尽くせりな生活を送ってもらったのです。
◆「自分がキレる=人間が言うことを聞く」と学んでしまい!?
「かわいく鳴いておねだりされても同じように甘やかしたと思いますが、なぜか彼女は最初から『要求は強気で』という姿勢だったので、素直に受け入れ続けました」
すると、フミちゃんの頭には「自分がキレる=人間が言うことを聞く」という、まさかの方程式が完成! 次第に「強くキレる=人間は早く言うことを聞く」、「とりあえずキレる=なんかもらえる」という応用技も使うようにもなっていきました。
「本気で嫌なことがあって怒っている時や怯えている時とは違って、キレている時は威嚇をしながらも尻尾や足取りがご機嫌な時も多い。だから、こういうコミュニケーションを望む猫なんだと思っています」
◆「尻尾がぶつかった」など理不尽な怒りを向けられる日常
何か要求を通したい時や失敗をごまかしたい時、他の猫に負けて自信を取り戻したい時、あくびのついでなど、フミちゃんがキレる場面は多種多様。
「尻尾の先がぶつかった」や「道を譲らなかった」など、当たり屋のようにキレられることもあるため、飼い主さんは理不尽さを感じつつも謝罪をし、慰謝料代わりのドライササミを貢いでいます。
ちなみに以前、妹さんが遊びに来た時にもフミちゃんの八つ当たりは炸裂。いつものようにオヤツを貰うため妹さんにキレにいくも、「怒っても何もあげない」と言われてしまい、フミちゃんは大ショック。
何も貰えなかったことにガッカリし、飼い主さんのもとで怒りを大爆発させたのだとか。独特なフミちゃんの感情表現はどこか不器用で、愛しくなります。