昭和初期を舞台に貧乏探偵・左右馬(鈴鹿央士)とその助手・鹿乃子(松本穂香)の日常を描いたドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)も第7話。「他人の嘘を聞き分けることができる」というチート能力を助手・鹿乃子に用意したわりには、あんまり大した事件が起こらなかったりするほのぼのミステリーですが、今回はけっこうガチ目に攻めてきました。

 冒頭から、死体が血まみれの死体が転がっています。振り返りましょう。

■能力は活躍せず

 死んでいたのは、町外れに暮らす隠居の老人。どうやら強盗殺人事件のようで、左右馬の旧友である刑事・馨(味方良介)たち警察が周囲を封鎖して現場検証中。そこに通りがかった絵描きの貫二(黒羽麻璃央)は回り道を強いられ、裏手にある“幽霊屋敷”で女の幽霊を見てしまいます。慌ててドブに落ちて骨折した貫二が入院した病院に、偶然、左右馬と鹿乃子が用事で訪れていたことから、2人は事件に首を突っ込んでいくことになります。

 貫二の見舞いに来ていたカフェの女給・リリー(村川絵梨)は、幽霊を見たなどと嘘をついて映画の約束をすっぽかした貫二におかんむり。しかし、鹿乃子の能力によって貫二の幽霊目撃談は嘘ではないことがわかります。逆に、貫二に愛想を尽かして出ていくリリーの「あんたなんかに本気になるわけない」という言葉が、嘘であることも。

 貫二が「本当に幽霊を見た」と言っていることに興味を持った左右馬は、鹿乃子と馨を連れ立って、幽霊屋敷に潜入。町のウワサによればその屋敷では10年前、家主だった画家が妻を殺して姿をくらましており、その妻が幽霊となって出ているという話でした。

 今回は、左右馬が名推理によってその謎を解決します。実際にはこの屋敷にモデルとして通っていた女(坂東希)が嫉妬に狂って画家と妻を殺害。画家は屋敷の隠し部屋でミイラ化しており、画家の死後も足しげく屋敷に通っていたモデルの女が“幽霊”として目撃されていたのでした。