安彦さんいわく「ブッ飛んだ本」は『超筋トレが最強のソリューションである(Testosterone著)』(文響社)。
“まるごと死ぬ前に筋肉殺しとく?”というカジュアルなノリだったかどうかわかりませんが、せっぱ詰まった気持ちは私にも痛いほど理解できます。
筋肉殺しに目覚めた安彦さんは、ムカついたらスクワット、何はともあれスクワットを実行。すると、あら不思議。脳内天国状態、筋肉を酷使するとヘヴンズゲートがひらくのです。
へこんだ時も、泣きたい時も、腰を落として5秒停止。体を動かす、というシンプルかつ深い行動に目覚めた安彦さん。たまりにたまった「負のエネルギー」が成仏してくれました。
◆下着の捨て活は心の浄化
筋トレが女性ホルモンを超越する!という具合に、単純にできていないのが女の心身。体調と気分の大波は、途切れつつも確実にやってきます。いっそ無になりたいと願うも、生きているかぎりお腹はすくしトイレに行かねばなりません。
ふと、安彦さんは気づくのです。
「なんでいつまでもボロパンツはき続けてんの?」
下着の変え時って、難しくないですか。50歳も過ぎればいわゆる勝負も減ってきますし、とりあえず局部を覆っていればいいか、とエンドレスのローテーションにはまり、パンツはおろかブラジャーもへろへろの瀕死状態。
タンスをあけると、出るわ出るわ、襟ぐりが伸びたババシャツ、かかとの擦れた靴下、毛玉だらけのタイツ。それらをまとめると、漂(ただよ)ってきたのはこれまた負のエネルギー。
全部断捨離処分したら、これまたあら不思議。天から光が差し込んで、頭がスッキリするじゃないですか。
「閉経は女の終わりじゃない。ホントに『女終わってる』っていうのは、こういうことをいうのである」と安彦さんは悟ったのでした。