熊本県八代市で江戸時代から約390年もの間、受け継がれてきた伝統のお祭り「八代妙見祭」が、今年も11月22日(金)・23日(土・祝)に開催される。
4年ぶりの通常開催で盛り上がった、昨年の演舞会場
獅子や奴、木馬、笠鉾、亀蛇、飾馬など、40もの出し物からなる神幸行列が約1.5kmの列をなし、約6kmの道のりを練り歩く「八代妙見祭」。最大の見せ場となる砥崎河原(とさきのかわら)では、それぞれの演舞や馬追いが披露され、多くの観客を魅了する。
2023年の本祭りは、コロナウイルスの感染拡大による中止をはさみ4年ぶりの通常開催に。演舞会場(砥崎河原)は、大いに盛り上がったそう。八代市内はもちろん、全国各地からの観光客、そしてインバウンドで訪れる外国人の姿も多くみられたという。
笠鉾や獅子、巨大なガメに注目
国重要無形民俗文化財に指定されている八代妙見祭の神幸行列は、日本の「山・鉾・屋台行事」の一つとして全国33の祭礼とともに、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。お下り/御夜は、11月22日(金)14:00〜20:30、お上りは、11月23日(土・祝)7:30〜17:00に行われ、経路は、塩屋八幡宮、本町アーケード、八代駅前、八代妙見宮、砥崎河原などだ。
地域の繁栄や不老長寿などを願い、9基一つ一つに異なるめでたい飾りがついた「笠鉾」。毎年、祭りが行われる時期に200〜300個にもおよぶ部材を、釘を一本も使わずに組み立てる。18世紀はじめ頃に現在の姿になったとされる笠鉾は、修理や改造を重ねながら江戸時代以来の姿を今に残しているのだ。
長崎くんちから習い伝わった、江戸時代から続く伝統の舞楽「獅子」は、雄獅子・雌獅子が一対となり、玉振り役の子どもとともに、チャルメラやラッパ、ドラ、鉦(かね)、太鼓のリズムに合わせて異国情緒豊かな舞を披露する。この獅子に子どもの頭を噛んでもらうと「すくすく元気に育つ」と言われており、演舞会場をはじめ、神幸行列の際にも縁起物の獅子の周りには多くの親子連れが集まるという。