江波という“最重要容疑者”との雪解けを果たし、今夜放送の第5話は“2章”とも言える2学期を迎える。気になるのは、エンディングナレーションで九条が「そして始まる。私にとって地獄となる、あの2学期が」と語っていたことだ。これは、1周目の人生でのことを振り返って言っているのか、それとも2周目の人生についての回想なのか。素直に受け止めるのであれば後者だろうが、となると、九条は卒業式で殺される運命を回避できたのか、それとも――。

 いずれにせよ、2学期はさらなる波乱に満ちた展開が予想される。最大の危険因子はD組のリーダー格・相楽琉偉(加藤清史郎)で変わりないだろう。第4話では静観していたように見えたが、その実、浜岡に江波を口説かせたのが相楽であったことが最後に明らかに。ただ教室を支配しているというだけではない一面が明らかになり、ますます得体の知れない存在となってきた。第5話の予告でも怪しげな動きを見せているが、平気で他人を利用するこの利己主義者が九条と和解することはあるのだろうか。

 そして、九条派にも不安要素が。星崎透(奥平大兼)によって九条がタイプリープしていることに気づきそうで、「未来を知っている」九条を利用しようとする者がでてきても不思議ではない。特に、クラスの優等生・東風谷葵(當真あみ)の公式プロフィールには「彼女の中には誰にも言えない『悩み』を抱えていて……」という気になる文言があり、波乱の2学期を呼び込む火種になるとの見方もできる。

 また、気になるのは九条の夫・蓮(松下洸平)だ。妻が「2周目の人生」であることを告白すると、思いのほかあっさり受け入れた。書斎の奥に九条が貼ったD組の生徒一覧に未来の日付があったのを見ていたため、「合点がいった」という理屈だったが、それにしてもあまりに理解が早すぎる。思えば、1周目の人生ではすれ違ったまま離婚に至ったのに、2周目では九条の変化があったとはいえわりとすんなり和解に至り、ここまで思いやりのある夫に変貌したことも不自然といえば不自然だ。蓮もタイムリープしており、妻もそうであることに気づいて態度を変えた……という可能性はゼロではないだろう。第3話で九条の高校の同級生である夏穂(サーヤ)と会ったときも妙に親しげだったこともあり、蓮には秘められた“何か”が存在するのではと疑ってしまう。