株の初心者が投資をはじめたい場合は、何が必要でしょうか。「資金」「時間」などさまざまな意見がありますが、最も必要なのは「知識」です。しかし「投資の知識をどこで付けたらいいのかわからない」「勉強の仕方がわからない」という人も多いかもしれません。そこでこの記事では株初心者向けに投資や金融の勉強の仕方を解説します。どのような点を押さえればいいかを確認しておきましょう。

株初心者はまず自分の理解度を確認!

2020年時点で日本銀行のゼロ金利政策が継続しているため歴史的な超低金利状態が続いています。銀行の普通預金や定期預金にお金を預けていても全くといっていいほど増えないと感じている人も多いのではないでしょうか。超低金利時代でも資産を増やせる可能性があることで注目されているのが「投資」です。特に株式投資は以下の点から透明性が高い投資とされています。

・誰でも参加ができる
- 毎日毎時株価の動きが公表されている

ただ株初心者が投資をはじめる場合は、しっかりとした投資や金融の知識を付けてからはじめるのがおすすめです。投資に興味を持ってもいきなり始めるのではなく必要な知識を学んでからはじめるようにしてください。

株初心者はどうやって勉強をはじめればいい?

(写真=PIXTA)

株の初心者は、どのようにして投資の勉強をすればいいのでしょうか。ここでは、7つの勉強方法について解説します。

勉強方法1:書籍を使って株式投資について理解する

最もはじめやすい勉強方法です。投資や金融に関する書籍や雑誌はたくさん販売されています。傾向としては、以下の通りです。

・書籍:株式投資の概要や投資の仕方、指標の見方など投資全般について学べる
- 雑誌:最新のトレンドに応じた具体的な銘柄の選び方や投資の最新情報が学べる

必要に応じて使い分けましょう。

勉強方法2:日経新聞で経済の流れを知る

経済の流れを知るためには、新聞を読むことが望ましいでしょう。中でも経済ニュースが豊富な「日経新聞(日本経済新聞)」がおすすめです。一般の新聞には掲載されていないような経済指標や経済ニュース、企業情報が確認できるため上手に活用してみましょう。また日経新聞を読む時間がない場合でもインターネットやテレビで経済専門ニュースをチェックすることは大切です。

勉強方法3:四季報を使って個別銘柄の業績を確認する

具体的な銘柄の情報を知りたい場合は「会社四季報」を確認してみましょう。インターネットなどの情報だけでは、チェックする銘柄に偏りが出てしまいかねません。しかし会社四季報であれば客観的な視点で業績や指標などを確認できるでしょう。

勉強方法4:投資家のブログを使っておすすめの投資手法や銘柄をチェックする

すでに投資をしている人のブログを閲覧して勉強するのもおすすめです。例えば以下のようなブログはいかがでしょうか。

  • おさいふプラス

    株主優待や配当金目的で投資銘柄を探したい人必読のブログです。権利確定日(株主優待や配当金などの株主権利を得ることができる確定日)に合わせておすすめ銘柄を紹介しています。株式の情報以外にもふるさと納税、ポイント還元などの情報も満載です。

  • みきまるの優待バリュー株日誌

    優待があり、さらに割安の株を知りたいときに読みたいブログです。具体的な銘柄紹介だけでなく、投資の勉強におすすめの書籍紹介もしています。銘柄選びだけでなく総合的に投資を学びたい人も読んでみましょう。

勉強方法6:証券会社の提供しているサイトで勉強する

証券会社のサイトでは、初心者向けに投資のイロハを学べるページを用意していることが多いようです。「投資とは何か」「金融商品の紹介」「銘柄の選び方」など総合的に学ぶことができます。証券会社提供の公平かつ信ぴょう性の高い情報が手に入るでしょう。初心者だけでなく投資にある程度慣れた人でも復習のためにぜひ活用したいツールの一つです。

勉強方法7:セミナーに参加し、実際に講師から教わる

投資セミナーに参加し「講師の話を聞く」という勉強方法もあります。目の前に講師がいる場合、疑問点やもっと知りたい点を直接聞くことができる点は大きなメリットです。ただし情報の公平性の観点から「どういった団体が主催しているのか」しっかりと事前に確認してから参加するようにしてください。できれば証券会社や取引所主催のセミナーがおすすめです。

なお近年はコロナウィルス感染拡大に伴いオンラインセミナーも開催されています。ライブ感は薄れるかもしれませんが、自宅のパソコンやスマホから気軽に見ることができるため、外出に不安を感じる人でも参加しやすいでしょう。

初心者が株の勉強をする際、押さえるべきポイント

株式投資初心者は、どのような投資の知識を学習すれば成功へ近づけるのでしょうか。ここでは、押さえておきたい4つのポイントについて解説します。

株価が変動する理由を知っておく

株価が動く理由の一つは、業績の良し悪しです。それ以外の変動の大きな原因としては、買いたい人と売りたい人との需給関係があります。対象銘柄について欲しい人の方が売りたい人より多ければ株価は上昇します。その他にも以下のような理由で株価は変動します。

・新商品発売などのニュース
- 政治経済の動き
- 金利の動向
- アメリカの株価動向
- 株式分割や自己株の取得・消却

これらは、毎日のニュースとして発信されているため、日ごろから確認する習慣を付けましょう。

安定性を見るために自己資本比率をチェック!

「業績には問題なさそう」「株価も問題なく推移している」という銘柄が見つかったら「自己資本比率(株主資本比率)」を確認してください。自己資本比率は「会社の総資産のうち自己資本がどのぐらいの割合があるか」を示す指標です。数字が高いほうが倒産リスクとしては低くなります。業種によって適正な自己資本比率は異なりますが一般的に「60%以上あるか」を目安にチェックしてみましょう。

確認するときは同業他社との比較をすることで業界内での自己資本比率の高低差を知ることができます。ただし伸び盛りのベンチャー企業や金融関連企業の場合は、自己資本の割合が低いことが多いため、総合的に判断するようにしましょう。

出来高の推移をチェック!

気になる銘柄があったら毎日の出来高の推移もチェックしましょう。1日の出来高があまりにも少ない場合は、売買が成立しない可能性もあります。つまり出来高が少ないと流動性リスクが高くなるのです。また急激に出来高が上昇している場合も注意しましょう。業績が上がることが原因であればいいのですが業績悪化や仕手筋(大量売買で株価を操作する集団)の介入の可能性があります。

単に出来高の多い少ないだけで判断すると高値づかみしてしまう可能性があるため注意が必要です。

株式の取引時にかかる税金を確認

特定口座(源泉徴収あり)で株を売却し利益が出た場合、20.315%(復興所得税を含む)の税金が証券会社から差し引かれます。しかし売却損が出た場合は税金がかかりません。一方でNISA(少額投資非課税制度)口座の場合は、売却や配当金で利益が出ても非課税となります。投資をはじめる前に「どのようなときに税金がかかるか」についてもしっかりと押さえておきましょう。

また証券会社に口座を開く際は以下のような口座の違いも理解しておくと安心です。

・特定口座:証券会社が1年間の取引の損益を計算して年間取引報告書を作成(源泉徴収ありを選択すれば確定申告は不要)
- 一般口座:投資家が自分で1年間の取引の損益を計算して確定申告する

一般的な会社員の場合は、特定口座(源泉徴収あり)で証券口座を開設するとよいでしょう。

株初心者はしっかり勉強して投資を始めよう!

株式投資は、低金利の預貯金よりも効率よく資産運用できたり配当金や株主優待があったりすることが大きなメリットです。「株初心者だけど投資をはじめたい」と思っている人もいるでしょうが金融や投資の知識がないままはじめてしまうことだけは絶対にやめてください。少なくとも「株とは何か」「株価はどうして動くのか」といったような内容は把握してからはじめることが望ましいでしょう。

近年は、書籍や新聞だけでなくインターネットやセミナーなどでも株式や投資の学習ができます。また証券会社では、独自に初心者向けの学習サイトを用意するなど学びの場は豊富です。そのため投資に興味を持った場合は、まず自分に合ったツールを見つけて少しずつ勉強をはじめてみましょう。

田尻宏子
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。 生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。 生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。

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