さらに、日本テレビでは、恋愛ドラマで珍しい考察系作品が放送中だ。
「『こっち向いてよ向井くん』は、ドラマそのものが恋愛について男女が考察し合うストーリーになっている。漫画が原作のドラマで、赤楚衛二演じる主人公・向井悟が恋愛における数々の失敗をして成長していくストーリー。途中、向井の勘違いが女性の心の本音として描かれ、ドラマの中でさまざまな伏線を回収してくれる。原作があるのでストーリーはある程度はわかっていますが、それでもSNSでは考察や共感する声が多数上がっている。視聴率はイマイチですが、新感覚のドラマとして中毒者を増やしています」(民放関係者)
ここ最近、「考察」がテーマになる作品が多くなっているのは、各テレビ局がドラマの作り方を変え伏線を生み出す脚本を増やしているからだという。
「世帯平均視聴率に反映されるような、リアルタイムにテレビでドラマを見る人は極端に減っている。そんな中で、自社の見逃し配信サービスやTVerで見てもらえる努力が必要になった。そうなると、SNSなどネットでバズらせるのが一番の宣伝になるんです。最近では、テレビ誌などで取り上げられるよりも、一般の人にXなどでつぶやいてもらったほうが宣伝効果も高い。ドラマの考察を専門にするYouTuberや、SNSで人気のアカウントもあり、そういった一般視聴者に取り上げられるのが、いまや最優先になっている。なので、ネットで議論できるようなストーリー展開にするよう、テレビドラマの脚本や演出も変わってきているんです」(同上)
これまでは、豪華なキャストを組んでいれば視聴率は取れた。しかし、木村拓哉の人気が低迷しているように、出演者だけで人気ドラマを作れる時代は終わっている。これからは、視聴者がついSNSで考察したくなるようなストーリーのドラマが人気を集めていきそうだ。