■それをラブコメのミステリーでやるという
上記のようなメッセージ性が、『くるり』ではまるで裏テーマであるかのように描かれます。元カレイケメンと元同僚イケメンの朝日(神尾楓珠)が嫉妬し合ったり意地を張り合ったり、謎のITイケメン・律(宮世瑠弥)がおせっかいを焼いてきたり、表向きはまこちゃんを巡ってイケメンたちが右往左往する楽しくポップなラブコメとして作られている。
その一方で、まこちゃんが階段から転落した日に何があったのかというミステリーについても、情報が小出しにされ始めています。
現場となった神社は、公太郎のジョギングコースであり、朝日もよく立ち寄る場所であり、律は事故にあった日にそこで花見をしていた。3人のイケメンはそれぞれにフラグが立ったカレシ候補でありながら、まこちゃんの事故に関わった容疑者でもある。
第1話を見始めたとき、ここまで重層的なドラマが展開されるなんて想像すらしてませんでした。最終回までちゃんと見ることが、自分の人生の歴史になるかもしれない。そう思えるドラマは、なかなかないですよね。
(文=どらまっ子AKIちゃん)