10月20日ごろには、元陸上自衛官で登録者数36万人を誇っていた「令和タケちゃん」こと後藤たけし氏のYouTubeチャンネルがアカウント停止に。社会問題の現場に突撃する“パトロール系”と称していた同チャンネルでは、路上喫煙やポイ捨てなどを注意する動画をはじめ、「不法投棄して逃走する外国人を私人逮捕!」「怪しい不動産投資の勧誘者に殴られたので私人逮捕!」といった過激な内容の動画が話題となり、2021年に北海道旭川市で起きた女子中学生いじめ凍死事件をめぐって教頭の自宅に突撃したことでも物議を醸していた。

 「令和タケちゃん」についても、現在はアクセスすると「嫌がらせ、いじめ、脅迫を目的としたコンテンツを禁じているYouTube ポリシーに対する度重なる違反または重大な違反のため、このアカウントを停止しました」と表示される状況だ。YouTubeは基本的に複数回のガイドライン違反警告を受けるとチャンネル削除になる通称「スリーストライク制」となっているが、同チャンネルは警告なしの「一発BAN」だったとみられる。

 似たような事例としては、迷惑系YouTuberの「追放」がある。迷惑系の代表格だった「へずまりゅう」はチャンネルをBANされ、何度新しく作り直しても一発BANされる「永久追放」状態になった。また、暴露系YouTuberとして世間を騒がせた元参院議員の「ガーシー」こと東谷義和も、同じくYouTubeから「永久追放」状態で追い出され、Twitter(現X)やInstagramなどのSNSアカウントも停止となった。

 それらの事例と同じく、YouTubeが「私人逮捕系YouTuber」の締め出しに本腰を入れ始めたのか。ただ、登録者数26万人を誇る「ガッツch」のように私人逮捕系動画を投稿していても存続しているチャンネル(9日時点)もあり、規制が本当に始まったのか、アウトとセーフの線引きはどこにあるのかといった部分には疑問も残る。

 ネット上では「私人逮捕系は一斉締め出しだろう」「BANは規約以外にもいろいろ要因があるから何とも言えない」といったさまざまな見方が噴出しているが、相次ぐアカウント停止が私人逮捕系動画のエスカレートに歯止めをかけてくれることを期待したい。