同じ衣料品ジャンルの会社なのに、なぜ利益や利益率に差があるの?
上記でお伝えしたように、同じ衣料品ジャンルの会社であっても大きく利益額や利益率に差が生じています。
しまむらとユニクロはリーズナブルな衣料を、マスな老若男女に向けて販売していることに変わりありません。しかし、ユニクロの利益率がしまむらより2倍以上高くなっていますね。同じターゲットに向けたファッションブランドであるにもかかわらず2社の利益率には、なぜ大きな差があるのでしょうか。
製造から販売まで自社で行うユニクロ
ユニクロは“SPA(製造小売業)”というビジネスモデルです。
SPAとは、卸売や小売業者に外注することなく、自社店舗で商品を販売するビジネスモデルのこと。商品の企画から製造、物流、小売までのプロセスを自社で一貫して行います。
このSPAこそが、ユニクロの圧倒的に高い利益率の要因のひとつと考えられます。しまむらと比較をしながら、さらに解説していきましょう。
仕入れ商品を販売するしまむら
しまむらでは、メーカーや卸売からの仕入商品を販売する戦略をとっています。
同社は一度仕入れた商品は返品をせずに完全に買い取る仕組みを導入。大量仕入・コスト削減による低価格での商品販売を実現しています。
ただし他社から商品を仕入れているため、商品の仕入れ代金や手数料の支払いが発生しています。もちろん、企画・生産のスタッフを抱えなくてよい、柔軟な商品の展開が可能などの仕入れ販売モデルの利点もあります。
ただ、ユニクロのようにSPA企業であれば自社で企画・製造した商品を販売することになるため、商品の仕入れや仕入れ時の手数料の支払いは発生しません。卸やメーカーへの支払いが不要な分、ユニクロは利益率が高くなっていると言えるのではないでしょうか。