大富豪の目に、「富と貧困」はどのように映っているのだろう—。ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏、ドナルド・トランプ氏など世界の大富豪5人の見解を、それぞれの格言から探ってみよう。
同じ大富豪でもそれぞれの性質や哲学が反映されており、富と貧困に対する見方にも個性が現れている。
1.ウォーレン・バフェット「富裕層は時間に投資し、貧困層はお金に投資する」
「富裕層は時間に投資し、貧困層はお金に投資する」—富と貧困の分岐点を的確に表した一言だ。
「世界で最も裕福な1%になったら、残りの99%の人々を気遣う必要がある」という言葉通り、熱心な慈善家として知られるバフェット氏だが、全ての富裕層がお金に寛大ではない。同氏は周囲のビリオネア(資産10億ドル以上の層)を観察し、「お金は個人の基本的な特徴を表す。ビリオネアになる前にせこかった奴は、ビリオネアになってもせこいままだ」と分析している。
所得格差に関しては、「だれかが大昔に木を植えたせいで、別のだれかがその陰に座っている」「ウォール街は、ロールスロイスに乗っている人々が地下鉄に乗っている人々にアドバイスを乞いに行く、唯一の場所だ」と皮肉っている。
「正直さは、安っぽい人間からは受け取れない非常に高価な贈り物」(Goalcast、Shout Me Loudより )という言葉が、人間の価値がお金で決まらないことを教えてくれる。
2.ジョージ・ソロス「貧困は政府、民主主義、内部抗争などが原因」
ポンドの空売りで「イングランド銀行をつぶした男」の異名をもつソロス氏は、「もしも世界中のお金持ちが資産の50%をチャリティーに寄付するのならば、税金は納めなくていいと思う」と発言している。
国際的財団ネットワーク「オープン・ソサエティ財団」の創設者としても有名だが、慈善活動は、「罪悪感や売名行為目的ではなく、経済的余裕と信念があるから(お金を寄付)する」。
深刻化する所得格差については、「ほとんどの貧困と惨めな境遇は、腐った政府と民主主義の欠如、衰弱した国家、内部抗争など」が原因としている。
重要なのは、「正解か間違いかではなく、自分が正しい時にいくらお金を儲け、間違っている時にいくら損をするかだ」という発言に、投資家としてのシビアさがうかがわれる(Picture Quote.com)。