『モンスター』では、ポーカーフェイスなキャラながらも、テンポのいい展開の中で見せるコミカルさ、時には法廷で声を荒げたり、クライアントに寄り添う優しさなどを、自然に演じており、さすが朝ドラ主演女優!というべき貫禄を見せつけています。
趣里さんにとって朝ドラヒロインは、主演女優に躍進するための単なる通過点にも見えます。今後は主演が中心になっていきそうですが、個人的には『ブラックペアン』(TBS系)の猫田役のような、脇でいい味を出す彼女ももっと見てみたいとも思います。
◆葵わかな:ピュアなイメージとは一変、舞台で力強く熱演
2017年『わろてんか』で、吉本興業の創業者・吉本せいをモデルとしたヒロイン・藤岡てん役を演じたのは2,378人の候補者の中からヒロインに選出された葵わかなさん。朝ドラヒロインらしい笑顔の似合うピュアな魅力を発揮しました。その後は、コンスタントにドラマ、映画、舞台に幅広い活躍を見せていますが、『わろてんか』を超える名刺代わりになる作品には出会えていないような気がします。
この秋は舞台『セツアンの善人』でかつては松たか子も演じた一人二役を演じ分ける主役にも挑戦し、今までのイメージとは違う力強い熱演を見せました。今後は朝ドラ女優の殻から脱皮した、幅広い活躍と演技派女優としてさらなる活躍を期待します。
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他、最近では『半分、青い』の永野芽衣さん、『舞いあがれ!』福原遥さんなども、オーディション組のヒロインですね。朝ドラ後、出演作がひっきりなしに途切れず息の長い女優さんとなっていくヒロインが多い一方で、しばらくすると名前を聞かなくなってしまう女優さんもいます。
「朝ドラヒロイン」という歴史に残る肩書をいかに生かせるかは、本人のポテンシャルと共に、その後いかにいい作品に恵まれるか、そして事務所の戦略や手腕によるものが大きいのかもしれません。