肝心の「ハコの中にいる内通者をあぶり出せ」作戦も、なかなか秀逸でした。ハコ長の美波さん(入山杏奈)を内通者に仕立ててほかのハコメンバーを動かし、その証拠集めの作業の中で本当の内通者をあぶり出す。めちゃんこ美人の入山杏奈がギャンブル依存症という設定もふるっていますし、実際の内通者だったなお美さん(呉城久美)には、やっぱりハコを裏切らざるを得ない悲しい事情があった。

 そして当然なお美さんは殺されることになるわけですが、兄妹の妹・ユキがネイルガンを構える櫛田の前に立ちはだかり、「なお美を泳がせたほうが組織のためになる」と幹部連中を説得して、またピンチから脱出する。「私は足手まといだわ」などと落ち込んで、キイチにデコピンされていたユキがハコメンバーとして独り立ちしたシーンでした。いちいち熱いです。

 今週は珍しく「最悪だ……」なラストではありませんでしたが、次回は大病院が舞台のようです。ドラマ『大病院占拠』(同)と同じスタッフが作っているので、何かまた楽しい仕掛けがあるんでしょう。

■始末屋・櫛田に裏がある?

 このレビューでは初回からフェルナンデス直行さん演じる始末屋・櫛田に偏愛を寄せてきたわけですが、その櫛田に今回、怪しい動き(というか怪しい演出)が見られました。

 だいたいヤバいことが発生する場所には櫛田がいるし、始末だけではなくPCを駆使していろんなことを調査する調査員としても有能な櫛田ですが、どうやら幻獣に対して隠し事があるようです。

 何話か前に、入間刑事とばったり会って撃ち殺そうとしたことがあった櫛田ですが、そのとき入間がユキのことを「ユキ」と呼んでいるところを見ていたんですね。今回、そのシーンが改めて挿入されていました。

 今回、入間刑事を拉致したのも櫛田ですし、「入間が知り合いじゃないなら殺せ」と言われたキイチが入間をボコっている現場にも立ち会っている。つまり、櫛田は兄妹が入間と知り合いであることを知っているはずなのに、黙ってるわけです。