それ以外にも人気上昇を後押しする要素はある。

「近年の大学のトレンドは都心回帰。1970年代から80年代にかけて、都心の手狭なキャンパスを離れ、郊外の広大なキャンパスに移転するのが流行りましたが、近年は青山学院、東洋大学、中央大学法学部など、都心回帰の傾向が顕著です。その点、立地という点で国学院は圧倒的に強い。

最近ようやく積極的にアピールするようになりましたが、国学院大学のメインキャンパスの最寄り駅は渋谷です。多数の路線が乗り入れる巨大ターミナル駅が最寄りなら通学の便は最高ですし、いちいちどこかへ行かずに遊んだりバイトができるのも嬉しい。勉強と遊びの両方を充実させたい昨今の学生のニーズに適っています」(同上)

 さらに来年には、知名度アップに一層貢献しそうなイベントも控えている。

「大学駅伝シーズンは通常なら箱根駅伝で打ち止めですが、来年は3月に万博開催記念の『エキスポ駅伝』が開催されます。これは史上初めて大学生と実業団の対決が実現するレースで、すでに駅伝2冠の国学院は必ず出場校に名を連ねるはず。これで善戦すれば、いよいよ大学の名声が高まるのは確実で、千載一遇のチャンスです」(前出・スポーツ担当記者)

 にわかに追い風が吹いてきた名門・国学院。関係者はこの状況をどう捉えているのか。現在、国学院大学で教壇に立つ教授(50代/男性)は、こう話す。

「基本的におとなしくてマジメな学生が多い大学です。渋谷駅から大学に向かうルートが途中まで青山学院の学生と同じですが、二手に分かれる場所で、男女問わず華やかな子はもれなく青学方面に行きますね。あと、“国学院あるある”といえば、国士舘に間違えられること。大東亜帝国の“国”は国士舘ですが、国学院だと思っている人もいて、そう言われるのをすごく嫌がります。国学院は最近、野球にも力を入れていて、プロで活躍している選手もたくさんいますが、あまり出身大学をアピールしている印象はないので、箱根駅伝で優勝してくれるのを楽しみにしています」