「大山はここ数年、常にクリーンアップを打ってきましたが、3割30本100打点を1度もクリアしたことがなく、打撃タイトルは2023年の最高出塁率だけ。優勝した昨年は全試合で4番に座りながら78打点というのは少なすぎます。阪神という超人気球団のレギュラーなのにオールスターに2回しか出ておらず、侍JAPANにも長らく呼ばれていない事実が、彼の実力を示す何よりの証拠。チームには森下(翔太)や前川(右京)といった若手が育っているので、“大山は出ていってもイイや”と思っているんでしょう」

 そうなると大山の処遇はどうなるのか。前出のスポーツ担当記者は争奪戦の展開をこう予想する。

「戦力として考えれば、広島、ロッテ、西武あたりは喉から手が出るほど欲しいでしょうが、大山の今年の年俸が2.8億円(推定)なので、交渉ラインは最低でも年4億円。巨人とマネーゲームでは勝てませんし、正直言って割高感もあります。となると巨人と阪神の一騎打ちですが、巨人にはポジションの問題がある。

大山はファーストもサードもできますが、そこには岡本和真と坂本勇人がいるので、一人はベンチに回ることになる。大山をレフトに回す手もありますが、それだと阿部慎之助監督が目指す機動力野球とは程遠いチームになりますね。大山は関東出身で、もともと巨人ファンだったようですが、巨人だとレギュラーは怪しい上に甲子園で猛烈なプレッシャに晒されるのは確実。結局は残留するような気がしますが……」

 東京ドームならホームランは増えそうだが、史上初の「虎の4番→巨人の4番」が生まれるかどうかはまだまだ微妙な状況だ。