新型コロナウイルスの感染拡大により日本経済も大きな影響を受ける中、「つみたてNISA」の口座数と、口座における買付額が増加傾向にあります。金融庁の「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2020年3月末時点)」によると、「つみたてNISA」口座数の伸び率は年代別に30代がトップ、買付額の伸び率は20代がトップとなりました。資産運用の一つとして注目の高まる「つみたてNISA」について、詳しく紹介します。
つみたてNISA(ニーサ)とは
「つみたてNISA」とは、少額からの長期・積立・分散投資を支援する非課税制度のことです。
通常、株や投資信託などの投資益(投資から得た利益)には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかりますが、NISAを利用することで毎年一定の範囲内は税金がかからない、という嬉しい制度です。2018年1月からスタートし、日本に住む20歳以上の人が利用できます。
NISAには「NISA」と「つみたてNISA」と「ジュニアNISA」の3種類があり、20歳以上の人は「NISA」と「つみたてNISA」どちらか一方を利用できます。とくに「つみたてNISA」は次のような理由で、投資経験の少ない若い世代にもぴったりと言われています。
毎月1,000円からでもOK!少額から始められる
「投資」と聞くと、手元に多額の資金を準備する必要があると考える人も多いかもしれませんが、「つみたてNISA」の対象となる投資信託なら、少額からコツコツ投資ができます。インターネットバンキングなどを利用すれば、多くの金融機関で毎月1,000円から始められますよ。
初心者にぴったりの商品が選定されている
「つみたてNISA」の対象となる投資信託は、安定的な資産形成を目指す商品として法令上の条件が設けられています。販売手数料が0円(ノーロードと言います)、頻繁に分配金が支払われないなど一定の要件を満たした株式投資信託などに限定されているので、初心者でも安心して商品を選ぶことができますね。
タイミングに悩まず、手間もかからない!
積立投資とはあらかじめ決めた金額を継続的に投資する方法で、「つみたてNISA」の買付方法はこれに限定されています。決まったタイミングで自動的に購入するので投資するタイミングに悩むことなく、手間もかかりません。
若いうちから始めることで時間を味方につけられる
投資信託は、長期間運用することで複利効果が期待できます。複利効果とは、運用で得られた利益を再投資することでさらに利益を得られることです。さらに、長期間の運用は一時的な投資に比べて値動きの振れ幅が小さくなるため、安定した運用が期待できるでしょう。
つみたてNISA最大のメリット!非課税枠とは?
冒頭でも紹介した通り「つみたてNISA」のメリットは非課税枠です。
私たちが働いて得た所得(給与など)に税金がかかるのと同じように、株式や投資信託などに投資をする場合、投資信託を保有している間に得た「分配金」や、投資信託を売却して得た利益などには、通常、20.315%の税金がかかります。
この税金が「つみたてNISA」を利用することで、年間投資額40万円を上限に非課税となるのです。限度額いっぱいで運用したい場合、毎月の積立額は3万円程度となるでしょう。
これらを非課税で保有できる期間は購入した年から数えて最長20年間で、最大800万円が非課税で運用できることになります。