◆30年ぶりの再会!行方不明になっていた理由は
恵子さんとYさんは、じつに30年ぶりに再会しました。待ち合わせ場所に着くと、久しぶりにもかかわらずすぐわかったそうです。
「お互い面影が残っていたので、すぐ見つかりました。仙台から引っ越してしまった私のことをずっと探してくれいたみたいです。その話を聞いて嬉しくなりました」
30年以上のブランクがあるにもかかわらず、当時の思い出話や昔の同級生の近況を聞いて盛り上がったといいます。
「すっかり中学生の頃に気持ちが戻りました。そして、Yの名前が行方不明リストにあったことを伝えました。すると、当時の職場が震災で孤立してしまっていたと教えてくれました。さいわいにも備蓄されていた食料があったため、なんとか数日、過ごせましたがずっと誰とも連絡が取れず孤独だったそう。家族がYさんと連絡が取れなかったことから、行方不明リストに一時的に載っていたようでした」
◆交流が再開。息子にも伝えたのは
30年ぶりの再会後、また交流が復活しました。
「Yさんは、連休や長期休みの期間を生かして、推し活をしていました。私もYさんに誘われて、一緒に演劇を観劇したりしました。また中学の頃みたいに会ったりするのが不思議な感じでしたね。夫からは中学の同級生とまた仲が復活したことに驚かれています。息子にも、友人を大事にするよう伝えています」
恵子さんは、Yさんから誕生日プレゼントとして懐かしいグッズをもらいました。
「宮城県が地元のサンドウィッチマンも着ているTシャツがあるんです。それは地元では知らない人がいないくらい有名な『エンドーチェーン』(*現在の店名は『EBeanS』)というデパートの名前が入ったTシャツ。色違いをお揃いで着ています。もちろん、家の中でですけれどね」
恵子さんは「もしかしたら震災がなければ、お互いを探さなかったかもしれない」とも語っていました。疎遠になっている友達がいたら、連絡を取ってみるのもよいかもしれません。
<取材・文/池守りぜね>