その日も先生が授業をしているというのに、生徒たちは雑談をやめようとしません。
「内心ではイライラしていたことでしょう。私語をしている生徒を注意することもなく、淡々と授業を進めていました。きっと先生から『言っても無駄だ』と見放されていたんでしょうね」
チャイムが鳴って先生が立ち去ったときです。生徒のうちの1人が、教壇の上に先生のスマホが放置されたままになっているのを発見しました。
「どうやら、スケジュールを確認するためにスマホを開き、そのまま画面ロックを掛けずに教壇の上に放置して忘れてしまったみたいです」
◆スマホを勝手に覗く不良たち
クラスのお調子者の生徒が、「わー吊り目ごぼうのスマホじゃん!」、「ロック掛かって無いぞ!」と騒ぎ出して、勝手に操作し始めたのです。
「もちろん、やめなよ、と注意しましたが、本心からではありません。何か面白いものが出てきたらいいのに、と内心では思っていました」
生徒たちが集まってきて、知られざる先生の一面を暴こうとチェックし始めました。普段、全然素を見せない先生だったために、好奇心を刺激してしまったようです。
◆女教師の知られざる素顔がそこに…
「もう、教壇の周りは人だかりができていました」
スマホを操作していた生徒の1人が画像フォルダを漁り始めます。ひたすらスワイプして写真を見ていたとき、一枚の写真に目が留まりました。
切れ長の鋭い目尻とひょろっとした細長い胴体の若い女性の写真で、それは明らかに先生の若い時の写真です。
「特攻服に派手な化粧の強面の女性が、ヤンキー座りをして、斜めから見上げるように睨みつけている写真だったのです。一目で吊り目ごぼう先生だって分かりました」
◆レディースの暴走族だった
生徒から舐められている吊り目ごぼう先生はかつて、レディースの暴走族だったのです。両脇には同じようにキツい化粧をした特攻服姿の女性をずらりと従えています。きっと暴走族集団の中でも上の立場だったことが伺えます。