Tomozy’sFarmは、埼玉県毛呂山町の名産「桂木ゆず」を肥料に用いた米「桂木ゆず米」を、10月18日(金)よりクラウドファンディングサイトのIBUSHIGINにて発売した。
同プロジェクトは目標金額を早期に達成し、地域の名産品を余すことなく活用するサステナブルな農業の取り組みとしても高い評価を得ている。
「桂木ゆず」の搾りかすを肥料にした米
埼玉県川越市で農業を営むTomozy’sFarmは、開業以来、化学肥料を使用せず、農薬の使用も最小限に抑えた“からだにやさしい米”づくりにこだわっている。2022年には自社ブランド米として、田んぼ一面に咲かせた菜の花を堆肥にした「菜の花米」を発売した。
新発売の「桂木ゆず米」は、同社の第二の自社ブランド米として栽培が始めたられたもの。飲料の製造などに用いられた「桂木ゆず」の搾りかすに米糠と籾殻を混ぜ合わせたものを肥料にして育てられている。
品種には埼玉県産のオリジナル品種「彩のきずな」を使用。通常「彩のきずな」は、比較的サッパリした食感だが、「桂木ゆず米」はモチモチしているのが特徴だ。
地域の名産品を余すことなく活用
同社が「桂木ゆず」の肥料化に至ったきっかけは、2年前にさかのぼるという。
当時、同社の代表取締役・田中洋史氏は、同氏の母校であり、日頃から共同でさまざまな取り組みを行っていたという城西大学の辻教授から相談を受けたそう。「県内に桂木ゆずを使ったクラフトジュースのメーカーがあり、そこで柚子の搾りかすが大量に余り処分に困っている。Tomozy’sFarmで活用することはできないか?」との話を受けたことが、「桂木ゆず米」の始まりだ。
そのとき、すでに草木の栄養素を肥料に活用した米づくりを行っていた田中氏は、「柚子が肥料でもお米は育ちそうだ」とイメージが湧いた一方で、前例がないため取り入れても良いものかとの迷いもあったそう。