これまで、無数の老若男女から「いやいや、何をおっしゃいますやら」という微妙なリアクションを引き出してきた、高岸の「あなたもプロ野球選手になれる」「あなたも150km/hを投げられる」発言。徹子のディフェンスに注目が集まるところだが、徹子は絶句からの薄ら笑いで難なくスルー。
続く大河ドラマの話題では、高岸が現場の様子について「プロフェッショナルが集まるオリンピックでしたね」と、元来オリンピックがアマチュアの祭典であることを忘れていたために図らずもテクニカルになった発言を繰り出したが、これも徹子には刺さらなかった。
結局、無難な前田とグルーブしない高岸という図式で番組終盤を迎えたが、最後の最後で高岸が「徹子さんのこれからの夢は何ですか」と、豪速球のストレートを放つ。
「100くらいまでこの仕事を続けていきたい」
思わぬ大団円に落ち着いた今回の『徹子の部屋』。たとえどんな地獄であっても、動じずに光を発し続ける高岸という芸人の特異性を見た気がした。
(文=新越谷ノリヲ)