他方ではこんな現実もある。夏休みにはインターハイが行われるが、サッカーのスケジュールは甲子園以上のハードさだ。

「今年度のインターハイのサッカーは先日終わりましたが、優勝チームは8日間で6試合やりました。暑さを考慮して会場は福島県になり、試合も35分ハーフでしたが、気温が35℃近くに達した日もあり、あまり意味はなかったかと……。過去には7日間で6試合をこなしたケースもあり、“いつか死人が出る”なんていう人もいます。そもそもサッカーの運動強度は野球より上ですし、連続でやるような競技でもありませんから。乱暴な言い方になりますが、スポーツをやっている限り、熱中症を100%防ぐのは無理です。昨年のインターハイは北海道でしたが、それでも各競技で救急車が出動するケースがありました。それでも甲子園の酷暑問題ばかりが取り沙汰される状況に、高校スポーツ関係者は歯ぎしりしています」(同上)

 安全にスポーツを楽しめる環境づくりは大切だが、それが間違った方向に進み、「夏はスポーツは禁止」ということにならなければ良いが……。