◆「加害者は変わることができる」というメッセージ

原作・中川瑛さん(以下、中川):加害者側の心理を描いて多くの話題を呼んだことに対し、非常に嬉しく思っています。Amazonのレビューが1000件を超えた際には、加害者変容についての内容がこれほどまでに多くの方に届くとは思ってもみなかったため、驚きました。

表紙のイメージから、最近流行の復讐劇や加害者が報いを受ける物語(ざまぁ系)と見なされがちだったと思います。しかし、実際には読者から「全然違う結末になって驚いた」「感動した」「DVの根本的な解決には加害者の支援も重要だ」といった肯定的な反応を得られたことが、非常に嬉しかったです。私が伝えたかったのは、「加害者は変わることができる」というメッセージでした。

しかし、漫画にも繰り返し書いてある通り、被害者には加害者を支援する義務や責任はなく、加害者が必ずしも変わるわけではないという点には注意が必要です。その点を指摘するコメントも多くありました。「逃げるべきだ」とか「こういうのはほとんどありえない」といった意見もあり、それは重要な指摘でもあると思っています。