芝は04年デビューで、今年が20年目。かまいたち、和牛、ハリセンボンらと同期にあたる。ともしげは芝の1年後輩となり、オリエンタルラジオやトレンディエンジェル、三四郎の世代となる。

 芝はブレーク前から業界内の評価が高く、いわば「チケット待ち」の状態だった。『M-1』ファイナリストの称号を手にして知名度を上げたことで、テレビ局側にも「使う理由」がそろった形だ。そして芝も、その期待に十分すぎる回答を示している。

 驚くべきは、ともしげの変化だ。

『M-1』本番での、ともしげの姿を思い出す。得点が出ると、両手を上げて跳びはねるともしげ。審査員の上沼恵美子が「ボケの彼、4分なのにファンになった」と言うと、満面の笑みを浮かべて「わーい!」。立川志らくが「ともしげの歌が下手すぎた」と指摘すれば、自ら頭を叩いて「あちゃー」。とにかく、ひたすらに可愛げを振りまいていた。

 この様子を見て、『M-1』以前から彼を知っている人間は、みなこう思ったはずだ。

「ともしげ、こんなやつじゃないような……」

「えらく可愛い子ぶってるような……」

 事実、ともしげの盟友である三四郎・小宮浩信はラジオで「(ともしげの本性が)バレないか心配だ」と繰り返し、同じくウエストランド・井口浩之は、ともしげに「地に足をつけろ」と言い続けたという。