俳優・女優、アーティストなどのファンも、推しの服やバッグなどを特定することがあるが、使っているものを知りたいという気持ちや同じ物を買いたいという動機で特定していることが多い。しかし、若手女性声優のファンは特定した上で「こんな高いものを身に着けているなんて」と批判する人が少なからずいるようだ。これは若手の女性アイドルでも同じ傾向がみられる。そうした批判を避けるため、矢野たちはモザイクでバッグを隠さなくてはならなくなったのではと推察されているようだ。
このような風潮に噛みついた女性声優もいた。『僕のヒーローアカデミア』の麗日お茶子役や『五等分の花嫁』の中野四葉役などで知られる佐倉綾音は2018年のラジオ番組で、他人のファッションをマネしているのにオリジナルのように振る舞っている人がいるという話題から「勝手にブランド特定して叩くネットの奴らよりは全然よくない? たまに起こるらしいじゃん。アイドルとか、K-POPの人とか。『こいつ、こんな高いの着てるんだ』って。いいじゃん、本人が稼いだお金なんだから。叩く意味がわかんない」などと憤慨。逆に安い服だったとしても批判されるらしく、佐倉は「それで悲しんでる子を何人か見たわ。服を特定されちゃって。しかもそれが2000円とか、3000円とかの服だったんだって。そしたら、『こいつダセー』とか『安い服着やがって』みたいな」と周囲の“被害”を訴えていた。
若手の声優やアイドルのファンは「清純さ」を求める傾向が強く、それに関連して「ブランド品などの高額品を身に着けてほしくない」という願望があるのかもしれない。だが、当然ながら何を着ようとどんなバッグを持とうと人の自由。自分の思い描いていたイメージと違うからといってバッシングするのは言語道断だ。彼女たちが自由に好きなファッションを楽しみ、モザイクなどかけずに気兼ねなく写真を公開できるような風潮になってほしいものだ。