◆パリコレを目指していた挫折期

 7月14日に放送された『行列のできる相談所』(日本テレビ)では、シリーズ最新作『キングダム 大将軍の帰還』主要キャストが集結。ゲスト(のほぼ)全員が『アナザースカイ』(日本テレビ)に出演したことがあるという共通点があり、スタジオにはいない大沢の出演回(2020年1月31日放送)がVTRとして放送された。

 大沢が訪れたのは、ロンドン。1980年代、モデルだった大沢は大学3年生でパリコレを目指していた。「ちっちゃい頃にいつか仕事を自分が何かをするときに世界の人と戦うような仕事がいいなと思ったんですよね」と話すが、モデル時代はオーディションで挫折を経験していた。

 1990年代、俳優転向後は、『若者のすべて』(フジテレビ、1994年)など、話題のテレビドラマに出演するが、日本人俳優として世界に挑み続ける気持ちに変わりはなかった。

 2018年、ミュージカル『王様と私』ロンドン公演で、クララホム首相役を得た。世界が注目する大役である。同ミュージカル出演は、ちょうど『キングダム』の撮影時期。『行列ができる相談所』にスタジオ出演した高嶋政宏が、当時の大沢が「ちょっとやってきますよ」程度に言っていたエピソードを紹介した。

 世界を目指す中で苦い挫折も経験し、やっと回って来た大チャンスに対して、この軽快さなのだ。努力を見せびらかしたり、変に勢い込むことがない。常にさらっとしたスタイルの大沢たかおにしか表現できないものがある。