◆毎食目玉焼きだけの“不健康ご飯“を提供中
夫婦喧嘩が起きた時、いつも折れるのは、このはさんのほう。しかし、両親の優しさをないがしろにされたと感じたこのはさんは、この喧嘩だけは折れたくないと思い、賢吾さんと口を聞かない日々を続けながら、地味な嫌がらせをすることに。
「あの人は目玉焼きが大好物なので、そればかり出してやろうと思いました。好きな物ばかりを食卓に並べないと文句を言うので、だったら、望み通り、大好物ばっかり出してやろうかなって」
初日、賢吾さんは「お!目玉焼きじゃん!なんだかんだ言って、お前は俺に甘いよな。仲直りしたいと思ってるの?」とニヤニヤ。しかし、翌日、またしても目玉焼きしか並んでいない食卓を目にし、顔が硬直。
「あれから1週間、まだ謝罪の言葉がないので、夫は目玉焼き生活を続けています。自炊ができないし、ケチなので自宅でご飯を食べるしかないようで、ため息をつきながら、毎日目玉焼きを口に運んでいます。料理が出てくるだけありがたいと思ってほしいです」
そう語るほのかさんは「今日も目玉焼きを焼きますよ」と言って、自宅へ帰っていきました。心を込めた作った野菜を馬鹿にしてごめんなさい。そんな言葉が賢吾さんから聞け、ささやかな復讐が終わる日は、いつ来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291