本書は、同社がジャニーズ問題に取り組むにあたった経緯や、BBCの報道に協力するに至った過程から始まり、90年代に同社から刊行されたジャニーズ告発本について、さらには「週刊文春」(文藝春秋)が大キャンペーンを張ったジャニー喜多川による未成年性虐待告発とそれに対する法廷闘争についての詳細、その「文春」の報道を受けて00年4月13日に開かれた第147回国会「青少年問題に関する特別委員会」の議事録まで、まさしく「ジャニーズ告発」における正史といえる一冊だ。
何故、週刊誌が大キャンペーンを張り、国会で審議されてもなお、ジャニー喜多川の非道行為が糾弾されなかったのか。それは、テレビ・新聞をはじめとしたメジャーマスコミが、この問題を無視し続けてきたからに他ならない。無視どころか、事実上はジャニーズ事務所と結託して揉み消してきたといっても差し支えないだろう。
ジャニー喜多川の犯罪の歴史は、メジャーマスコミの共犯関係なくしてはありえなかったのだ。
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