◆鬼電に鬼LINE!母親の止まらない連絡

dokuoya230308-1
※写真はイメージです(以下同)
 机の中を見られることも、今日の出来事を根掘り葉掘り聞かれることもない……。かなみさんは独立後、精神状態がかなり安定していたそう。ようやく1人の時間が持てたことにホッとしたのです。課題とアルバイトに追われる生活は相変わらずでしたが、解放感に溢れた毎日はとても充実していました。

 しかし、平穏が訪れたのも束の間。独り暮らしを始めてから1か月が経とうとした頃、母親からの度重なる連絡が目立つようになりました。

 過干渉こそ酷かったものの今まで連絡がしつこく来ることはなかったため、かなみさんは再び気が滅入ってしまうのです。

「母は機械にあまり強くなく、スマホの操作が面倒なタイプだったので、今まで連絡がしつこいことはなかったんです。だから急に“鬼電”と“鬼LINE”の嵐が起きて動揺してしまって。自分の中で油断していたというか、想定外の行動だったんですよ。

 それに“(相手のアカウントを)ブロックしておけば良かったのに”と言われるかもしれませんが、何かあった時に困ると思ってできなかった。まだこの時は絶縁まで考えていませんでしたし。でも、私の詰めは甘かったのかな……。やっと1人になれたのに、止まらない連絡のせいでまた気が休まらなくなってしまいまして」

 大量の着信履歴に何十件も溜まっていくLINEのトーク。かなみさんに追い打ちをかけられたような気分に陥り、未読メッセージの数を見るだけで気が滅入っていました。

 恐る恐るトークルームを開くと「どこにいるの?」「何してるの?」「〇日以内に返事をしなければ学校に連絡するからね」「今すぐ帰ってらっしゃい」と似たような言葉ばかりが並ぶのです。