◆彼からの忠告に目がさめる

「いきなりKさんは真面目な面持ちでぬいぐるみを処分すべきだ、みたいなことを言い出すんですよ。いったい何をいきなり言い出すんだこの人、っていう感じでしばらく言葉をかえすことが出来なかったほどです」

彼からの忠告に目がさめる
 Kさんは、その後順序立てて色々話し出します。まず、莉緒さんがこれほどまで多く集めたぬいぐるみたちに日々愛情を注げているかどうか聞いてきたそうです。たしかに、莉緒さんのへやのぬいぐるみは、あまりにも数が多くソファーの下や、ベッドの隙間に落ちてしまっている仲間もいたそうです。

「Kさんいわく、愛情を注げていないぬいぐるみたちが多ければ多いほど、私に幸運が訪れないと言い張るんです。でも、そう言われれば確かに埃まみれで押しつぶされている子たちもいっぱいいるな、と思ったんです」

 その夜、莉緒さんは部屋にいる全てのぬいぐるみを一つ一つ並べて謝ったそうです。Kさんのいう通り、買ったことすら思い出せないようなぬいぐるみがたくさんあったことに気づいたといいます。