◆「田舎呼ばわりをやめて」とお願いしたら、まさかの返答が…
夫は、私の地元を否定しているわけではない。ただ、自分が住んでいたところよりは田舎だと言っているだけ。貴子さんは、そう自分に言い聞かせ、夫の発言を見過ごし続けましたが、ストレスはどんどん蓄積していきます。
そこである日、勇気を出して「ねえ、私が生まれ育った町を田舎って言うのやめてくれない?あなたの目から見れば田舎に見えるだろうけれど、それでも私にとっては大切な場所だから」と伝えました。
すると彼は、「は?田舎を田舎って言って何が悪いの?」と反発。さらに「正直、こんな不便なところだとは思わなかった。俺、暮らしていく自信がないかも。もし、俺が限界になったら離婚してね」と言ってきたのです。
「私との結婚って、その程度の重さだったのか……と悲しくなりました。どうせ、離婚になるかもしれないのならば、早いうちに別れたほうがいいのかもしれないなと、最近よく考えます」
貴子さんは今も彼との結婚生活を継続していますが、「そろそろ限界かもしれない」や「田舎ならではの文化についていけない」とこぼし、故郷を馬鹿にする夫との未来に期待はしていないと言います。
「この前、母が漬けた梅酒を見せたら、『そういうところが田舎の人っぽいよな。俺が住んでいた県ではそんなこと、誰もしないよ(笑)』と笑われ、さすがにカッとなりました」
田舎でも都会でも、生まれ育った町はその人にとって、思い入れがある場所。見知らぬ土地でストレスを抱えてしまうことはあっても、貴子さんの夫のようにパートナーの故郷をけなして心を傷つけないようにしていきたいものです。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291