◆法学部卒の弟に相談すると

 智美さんは法学部を卒業している弟に叔母とのやりとりを話すと「それはさ、おばさんがおばあちゃんの家を独り占めしたいだけだよ」と一言。確かに、亡き祖父も祖母も負債を作るような人ではなかったと振り返る智美さん。

「弟の言う通りだと思いましたよ。でも、いいんです。私達に迷惑がかからなければね。本当に大嫌いです! でも、もう一人のおばさんは母親とも仲がよくて、おばあちゃんの葬儀の時にLINE交換したんです。それだけでも行ってよかったと思ってます」

◆1年後に破産宣告をした叔母

 それから1年ほど経ったある日、姉が破産宣告をしたともう一人の叔母から連絡が入ったそう。驚いたことに、祖母は生前証券会社の営業マンに上手く乗せられ先物取引に手を出していらしく、後に負債が発覚したとのこと。実家を処分しても穴埋めはできなかったらしいのです。

「もう一人の叔母も実は姉から相続放棄を迫られていたらしく難を逃れたらしいんです。ほんと、どこまで自分勝手なんでしょうね。神様が罰を与えたんでしょうね…もう叔母とは一生会うことはないと思います。一つだけ言うなら、今回のことで少しだけ相続について学べたような気がします」

―シリーズ「捨てて/やめてよかった!人・モノ・習慣」―

<文/大杉沙樹>

【大杉沙樹】

わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。