◆まさかの集合写真で……
実家へ入る順番を待っていた愛菜さん家族。しかし、しばらくすると……。
「わぁ、せっかくだからみんなで集合写真でも撮りましょうよ」という長男の嫁の声。そして、長男がお義父さんの車椅子を押しながら、こちらへ向かってきました。
義父は、前に会ったときより少し痩せていて、細い白髪の隙間から地肌がピカピカッと光っていたそう。
「正直、ものすごくめんどくさかったんですが、こればっかりは仕方ないと……。それで写真撮影のときに、一番小さい2歳の娘を、車椅子のおじいちゃんの膝の上に座らせてもらったんです。そしたら娘……おじいちゃんを指さして大きな声で『猿だ!猿だ!』って泣き出して……。もうあのときは本当に、頭が真っ白になりました。おじいちゃんは耳が遠いふりをしてくれたのですが、あの時は穴があったら入りたかったです」
義父はその数年後、他界したそう。今でもあのときの話は家族で話題になるそうです。
<文/maki>