◆ハマり役の2人はどうキャスティングしたのか

 まず郁子のキャスティングの背景として、「郁子役の西田さんはこれまで多くの母親役を務めていますが、全ての母親役に個性豊かな色がついていることが印象的でした」と話し始める。

「郁子も専業主婦として家事育児をキチンとこなしていますが、ちょっと世間とズレた感覚を持っています。難しい役どころではありますが、西田さんに郁子を演じてもらえたら、郁子の個性をチャーミングで愛される人に色付けてもらえるのではと感じてオファーしました。」

原口真鈴さん
『くすぶり女とすん止め女』プロデューサーの原口真鈴(テレビ東京)さん
 次にほのか役を香音が担ったことについては「2023年4月から放送されたドラマ『ガチ恋粘着獣~ネット配信者の彼女になりたくて~』(テレビ朝日系)に出演していた香音さんは、可愛いのに報われない女性を演じていました。発狂するシーンなどもあり、その時のインパクトがすごく、ふと『ほのかと似ているかも』と思いました」という。

「香音さん自身の性格などを周囲に聞いた時、“地に足がついている女性”というか、『世間の温度感を肌でしっかり感じている人なんだな』ということを知りました。実際に会って話してみると、大学のお友達と遊んだり一緒に授業を受けたりと、一般的な学生らしい生活を過ごしていることがわかり、『Z世代のほのかの気持ちをしっかり乗せてくれるのでは』と思ってキャスティングしました。2人ともハマり役だなと思っています」