◆略称ドラマはヒット率が高い

 略称がつくテレビドラマ作品は、だいたいがヒット作、ないしはヒットへ勢いづくとよく言われている。テレビ東京の深夜ドラマ枠は、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(2020年、通称『チェリまほ』)を筆頭に、意欲作をコンスタントに製作している。

 2022年に新設された「ドラマチューズ!」枠で放送されている『夫を社会的に抹殺する5つの方法』は、馬場ふみかと野村周平出演作に続く、シーズン2作品。“オトサツ”の略称で親しまれている。親しむというには、タイトルと内容はかなりハードか。

 夫を社会的に抹殺することをオトサツと略してしまうのだから、なかなか複雑な人間心理がたくみに反映されてもいる。

 そう、本作は単に略称ドラマのヒット作の第2弾であるばかりではない。人間の本質をえぐる、粘り勝ちの社会派ドラマでもある。