◆義実家に帰省中は、休むヒマもない
「夫は山口県の内陸部の出身なのですが、義実家の嫁に対する扱いがとにかくひどい。帰省の時期が近づくと憂鬱でたまりません」
そうボヤく時村秀美さん(仮名・36歳/印刷会社)は、生まれも育ちも埼玉県のベッドタウンで、田舎暮らしとは無縁でした。結婚するまでは優しかった姑も態度をひょう変。彼女に対して厳しく接するようになったといいます。
「帰省中はゆっくりお茶を飲んでいるヒマすらないほど働かされます。去年のお盆は料理や掃除、買い出しなどに加え、庭の草むしりと物置の片付けをさせられました。
しかも、私だけ毎日汗だくになりながら作業しているのに、夫とお義父さんは手伝うどころか昼間から飲んだくれている。年1~2回の帰省のときだけだからと自分に言い聞かせて頑張っていましたけど……」
昔は、嫁の務めとして当然だったのでしょうが、世代と地域のギャップで秀美さんには当然納得がいきません。
夫にはなんとかしてもらうように何度も伝えたそうですが、「母さんも年なんだから助けてやれよ」と取り付く島もなし。その姑は趣味で登山やテニスなどをしており、60代には見えないほど元気。しつこく言うと夫が不機嫌になってしまうため、相談できずにずっと我慢していたそうです。
「それでも義実家の手伝いだけならまだ耐えられました。けど、お義母さんに『みなさんに紹介したいから』と集落の婦人会の集まりに連れていかれ、そこでも小間使いのように働かされたんです」
集まりといっても実際にはただのおしゃべりの場。集落に住む女性は一番若い人でも60代で、秀美さんが最年少でした。義母に命じられて、お茶の準備やお菓子の買い出しも、秀美さんがやったそうです。
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