昔からインテリアや雑貨が好きで、若いころから、「服より雑貨にお金を使ってきたほう」という田辺さん。お姉さんと一緒に営んでいる生活雑貨店「mikke」で扱っているものも、ふたりが暮らしのなかで実際に使ってよかったものばかりです。

「使い勝手や美しさはもちろん、ふたりとも主婦なので、買いやすい値段という基準も大切に選んでいます。いいものみっけ!と、お客さまと共感し合えることがうれしい」

◆すっきりにこだわりずぎず、散らかっても時間があるときに片づければOK

テーブルにつく親子
ダイニングテーブルで、本を広げて絵を描いている長男の向かいに座り、田辺さんも趣味のこけしづくりをする
 一時はミニマリストのようにものを減らし、何もない部屋で暮らしていたこともありました。

「でも、続けるうちになんだか味気なく、窮屈で楽しくなくなってしまって……。いまは、すっきりにこだわりすぎず、家族みんなが一緒に過ごすリビングでは、それぞれの『好き』を尊重するように。息子が好きなキャラクターものも、いとおしく感じるようになりましたね」と心境の変化を語ってくれました。

 家具やカーテンなど、部屋の中で大きな面積を占めるものは無地を選んだり、自分たちにとって心地よい物量を考えたりと、程よいすっきり感はキープしながら、リビングは、家族のお楽しみを第一優先。

 子どもが思いきり遊んで散らかしても、イライラすることなく、気になってきたときや時間があるときに片づけられればOK。ものの帰る場所が決まっているので、気持ちがラクです。

「電車が大好きな長男は、学校から帰ってひと息つくと、ダイニングテーブルの上に電車の図鑑やパンフレットを広げて、絵を描いたり、工作したり」

 機嫌よく好きなことに集中できるのも、すぐ手が届く場所に、必要なものがスタンバイしているからこそ。その間に、田辺さんはキッチンに立ち、夕食の支度を始めます。

 すっきりにこだわりすぎない、時間と気持ちにゆとりをもてるよう、家も暮らしも完璧を求めない。整える軸を守りながら、変化していく家族や暮らしの形に合わせて、ゆるやかにアップデートしていく田辺さんの暮らしがこれからも楽しみです。